【エロゲの表現規制】について卒論を書こうと試みる

※表現規制の是非を論じるものではありません。

【取材希望】エロゲクリエイターの方にインタビュー、したーーーーい!!!

こんにちは。

エロゲで卒論書く人(@eroge_thesis)です。

 

今回は忘れないうちにはっきり話しておきたかったこのテーマについてです。

 

もう何度目かになりますが、私の研究テーマは「アダルトゲームの表現規制と規制に対する表現者の対応について」です。

そしてこの後半部分「表現者の対応について」というところは、明らかに「表現者へのインタビュー」を前提として書かれております。

 

というのも、もともとこの手の研究において対象となるのは、「規制賛成派(の意見)」および「規制反対派(の意見)」でした。最近私が読んだ論文でもそうです(こちらは児童ポルノ関連の議論なので少し今回のものと話がズレる点もありますが)。

しかし!表現規制における当事者としてあげられるのは・・・そう、「表現者」ですね。

ある表現が規制された時、その直接の影響を受けるのは常に表現者であって、それは規制に賛成、反対の意見を表明する人とはイコールでないことも多いです。

では、

表現規制に対して、表現者は一体何を思うのか?」

「そして何を思って作品を作るのか?」

という問いを明らかにすることで、表現規制研究の議論に表現者の言葉を取り入れよう、という試みなのです!!!

 

そんなわけで、近くこちらのアカウントからできる術を使っていろんな方にアプローチしてみる予定です。「胡散臭い奴から突然何か来た」などと思われるでしょう。しかし、お忙しい中ではあると思いますが、ご協力いただけますと嬉しいです・・・。

直接会って話すというより、チャットツールなどを利用したインタビューを主に考えています。会うのはなかなか難しいことも多いでしょうから。頂いた言葉は研究に利用させていただきますが、当然ながら個人が特定できないような加工などをした上で、論文に使用させていただきたく思っています。

これも繰り返し書いていることですが、私の研究は「表現規制の賛否を議論する(結論づける)こと」ではなく、「表現規制について表現者が何を思うのか」を明らかにすることが重要ですので、間違っても取材の中でいただく言葉に対して誘導であったり、事後の改変などを行うことはしません。というか、私にとってそんなことを行う意味が一切ありません。あくまで表現者、クリエイターの方の素直なお気持ちをお話しいただけるよう尽力いたします。

 

この記事をまさかクリエイターの方が読んでいらっしゃるとは思っていないのですが、私の研究スタンスや目的、思いなどを端的に伝える記事は必要ではないかと思って書きました。

これから連絡させていただいた方がこれを見る可能性もあるので!

 

それでももし!奇跡でもなんでもこの記事を見て取材受けてもいいよってクリエイターの方(以前関わっていた方やフリーの方でも可)がいらっしゃったらTwitterのDMまでお願いします!

twitter.com

「クリエイターじゃないけどエロゲ好きだしこの研究面白そうだな」って方も、情報拡散などでご協力いただけますと大変喜びます!

また、私の研究に関する意見、感想などもいただけると嬉しいです!私自身まだまだ未熟なので、その道に詳しい方からのご指導ご鞭撻などいただけると非常に助かります。

よろしくお願いします!!

「エロゲ表現規制研究」の参考文献 その1 【子どもというレトリック 無垢の誘惑】

こんにちは。

エロゲで卒論書く人(@eroge_thesis)です。

 

今回から私の研究に当たって読んだ本を紹介したいと思います。

第一弾はこちら。

「子どもというレトリック 無垢の誘惑」

 

これは私がエロゲを研究すると宣言した際、先生が一番に勧めてくださった本です。

ざっくり言うと、「悪書追放運動」や「有害コミック問題」などを取り巻く言葉たちを通して、「子ども」概念を見つめ直す、みたいな内容です。

「エロゲの表現規制」を社会の中に位置付ける上で、メディアとしての性質がある程度似ていて、かつ大きな議論を巻き起こしたコミック関連の表現規制問題は参考文献として避けて通れないところでありましょう。

 

「有害」とは何か?

この本において序盤の問いであり、私自身興味深く感じたのは上記のような内容でした。「警察白書」など公的な書類にも「青少年に有害〜」と書かれることが当然に思われる中、まさにその点に疑問を持って検討する姿勢が刺激的でした。

議論の絶えないこの問いですが、最終的な答えを出すのは、やはり裁判官のようです。これは最近読んだ本での「ある表現がわいせつか否か」という問いにも同様で、この手の話題において法学が切っても切り離せない分野ではありそうです。

しかし、私の研究においてはその辺りを白黒はっきりさせる必要はない、ということも忘れてはいけません(自戒)。

大切なのは、「『有害』とは何か?」という問いに対してどのような論理で「有害である」あるいは「有害ではない」と判断されたか、ということです。もう少し広く言うと、人がある表現を「有害」か「有害ではないか」を判断するときの論理には、どのようなものがあるか、ということを整理すること社会学的な研究の目標となりますので、「ある判断が正しいか正しくないか」という問いは法学に任せ、ごっちゃにしないようにしましょう(自戒)。

 

悪書追放運動と有害コミック騒動

悪書追放運動とは1950年代に起こった、児童雑誌に掲載されたマンガの内容を批判する運動のことです。

性表現というより、人殺しや暴力などのいわゆる「グロ」表現が問題の中心でした。

この本の特徴でもあると思うのですが、年表を使って運動の経緯がわかりやすく示されています。その結果分かるのは、悪書追放運動は「子ども(青少年)」を保護しようとする民間団体のみによる運動ではなく、出版社や編集者側、さらには漫画家も巻き込んだ議論の場を持ち、収拾が図られたということです。

 

有害コミック運動は比較的新しく、1990年代からになります。

こちらの方が私の関心に近く、性表現規制につながる一件です。この時期には、いわゆる「ロリコン漫画」や「少女漫画の過激な性表現」などの要素が揃っていました。

「このような表現は青少年には見せられない」「不適切である」といった意見に対し、出版社側の対応は表現の自由を守るための自主規制」でした。自主規制をすることなく強気で出版を続けたとして、裁判で「わいせつ物を売っている」と確定してしまえば、その表現は完全に消滅してしまいます。 そして裁判が常に過去の判例を参考にする以上、事実上の禁止状態に陥るのを避けるためには、いわば「バランス取り」のような、表現を守るために規制賛成派も反対派も納得できるような自主規制を策定することが重要になるのです。

そんなこんなで「有害図書」という線引きが生まれ、それは後にマンガだけでなく、ゲームも含まれるようになります。その先陣を切ったのは一部に有名な「電脳学園」でして・・・。(この作品を制作したのは、今では「エヴァンゲリオン」で有名なあのガイナックスなんです!!

「電脳学園」が宮崎県で問題になったのが1992年の9月18日、同年11月20日に「コンピュータソフトウェア倫理機構ソフ倫)」が発足し、活動を開始しました。

この辺りが(さらっととはいえ)書かれていたのは個人的に嬉しかったです。

「無垢なる子ども」イメージ

さて、この本において一番大きなテーマになっているのがここかと思います。

エロ・グロどちらの表現規制においても、「分別のつかない」子どもには見せるべきでない、という言説が大きな力を持っています。 その背景には大人たちの「子どもは無垢であり、過激な暴力描写や性描写を見ることで無垢さが失われ、健全な成長に支障をきたす」という暗黙の前提が含まれていることをこの本は指摘しています。当然ながらこの手の議論に子どもは参加しないので、「当事者不在の中、当事者を想像して保護しようとする」動きになってしまう。性描写に関わる議論においてこの事実は外せない、重要な点だと思います。

も、もちろん私の研究に直接関係があるわけではありませんが、個人的にこの手の問題を考えるときにですね!大切だと思うわけです!!

 

アプローチ・まとめ

この本のアプローチ、つまり調査手法は「資料分析」で間違いないでしょう。

主には問題となった書籍や雑誌、その問題を取り扱った新聞や雑誌記事、民間団体や政治家の発言などを様々なところから資料を収集し、それらを整理してまとめてあります。

個人的には読んでいてわかりやすく、また資料の分析も大きく違和感を感じることもなく、いろいろと考えさせられる良書だと思いました。

特によかった点として、「無垢なる子ども」概念を提起したことを挙げたいところです。これは表現規制というややこしい問題の本質を明らかにした非常に重要な取り組みと言えるのではないでしょうか。この点を念頭に置いた人物が議論すれば、論点や論調も大きく変わってくるはずです。

興味のある方にはぜひ一読をお勧めいたします。

図書館にも・・・ある、かも?

私自身ガッツリ何度も読んでいるわけではないので、拙いところも多かったと思いますが、私の研究のためにも、こうやって読んだ文献の内容について整理することは意味のあることかなあと思ってやってみました。

 

運が良ければ続くと思いますので、その際はまたよしなにしてやっていただければと思います。

最後まで読んでくださりありがとうございました!

 

 

 

 

 

「エロゲ表現規制研究」の参考文献 その0 【テーマとアプローチについて】

こんばんは。

エロゲで卒論書く人(@eroge_thesis)です。

 

さて、改めてになりますが、私はエロゲ(業界)について社会学という分野で研究をしています。

 

その社会学研究では「参考文献や論文の熟読」が基本でございまして。

研究するテーマと同じ、あるいは似たテーマを扱う文献や論文を読むのです。

何を意図しているのかというと、そのテーマに対する単純な知識の拡充はもちろんのこと、その研究が、どのようにテーマに対してアプローチしているか、ということを学ぶことも文献や論文から得られる大切な知見です。

アプローチ、というのは主に調査手法のことで、そのテーマに対してどのような調査を行い、その結果どのような情報が得られ、どのような情報が得られなかったのか。その調査手法がテーマと研究目的(そのテーマについて「何を明らかにしたいのか」ということです)にそぐうものであるかどうか、などを分析し、自身の研究に活かしていきます。

 

このままだと抽象的で分かりにくいので、私の研究テーマの話に戻しましょうか。

私の研究テーマはズバリ、「エロゲ(アダルトゲーム)」です。

この場合、参考文献、論文としてパッと思い浮かぶのは「エロゲに関する研究」ですが、まあそう見つかるわけもなく・・・。

 

こんな時は、視点をいろいろと動かしてみましょう。

例えば、私の研究テーマは「エロゲ」だけではなく、表現規制というのも大きなテーマです。この分野は先人が様々な研究をしてきた分野、ということは想像に難くありません。さらにエロゲを「映像メディア」と解釈すると映画、漫画、アダルトビデオなど表現規制問題の中でかなり議論が活発なテーマが現れてきます。

 

「いやいや、エロゲとAVは同じアダルトメディアだけど全然違うじゃないか」と思われるかもしれません。社会学ではそう考えるよりむしろ、「あるポイントに置いて、AVがこうならエロゲはどうなのか」という比較検討をするための存在として重宝します。

例えば、「AVの審査団体は過去警察に摘発されたことがあるようだ。ではエロゲの審査団体は警察に摘発されたことがあるか?もしなければ、その理由はなぜか?もしかするとそこに、AV(業界)とエロゲ(業界)の違いがあるのかもしれない」みたいに考えます。

社会学は、あるテーマを類似テーマとの関係において分析し、検討する、相対的に考える所に特徴があるように感じています。

 

私が今のところ把握している、私の研究との関連テーマは、「アダルトビデオ、映画、春画、ゲームなどの表現規制問題」児童ポルノなどです。この点については、今後もっと増やしていかなければならないところです。

・・・というのも、私、社会学部のくせに活字を読むのがあんまり得意じゃなくて。

中学生以降、文章より動画やラジオなどのメディアに親しんできたせいで、文章を読む力が養われなかったようです。エロゲはボイスがあるのでいいんですけどね。

 

続いて、アプローチ(調査手法)についてです。

主な調査手法というと、アンケートや聞き取り調査、参与観察あたりが今の私が思い浮かぶそれですが、そのどれにも長所と短所があります。

つまり、得られやすい情報と、得られにくい情報があるということです。

この場合比較としてわかりやすいのは、やはりアンケートと聞き取り調査でしょう。アンケートの良さは多数の人からテーマに対する意見を収集できるということです。統計の知見を借りて、サンプル数を揃えれば、その調査結果はある程度の一般化が許されることになるので、世間の一般的な考えなどを知りたいという時に相性が良いでしょう。

一方で聞き取り調査はどうでしょうか。聞き取りということはある人物、一人から数人に直接話を聞くことになるので、一般性からは大きく遠のきます。ただし、そのテーマについて詳しい個人から話を聞くほうが、その人の主観としての言葉であったり、実感のこもった言葉が得られることから、「面白い」研究になりやすいとは言えるでしょう。これは結構大事なポイントだと思います。

アンケートのデメリットとしては、質問内容や選択肢の作成に技量を必要とするものであったり、そもそもサンプル数を揃えることが難しいことが挙げられます。聞き取りも、その聞き取り対象としたい個人に実際に聞き取りができるかは時の運が絡んでいると言わざるを得ず、聞き取り自体にも研究者のトークスキルが求められることもあるでしょう。

このように、それぞれのアプローチの長所と短所を理解し、調査で明らかにしたいことを参考に選んでいくことが大切です。

 

私の場合、「アダルトゲームの規制について、賛成派、反対派はどのように考え、そして表現者はどのように考え、対処したか」ということが明らかにしたい「問い」です。

これには「ソフ倫表現者(エロゲメーカーの代表)が集まってできた組織である」ということを含んだ言い方になっていますが、概ねは他分野における表現規制研究の文脈に乗せたものです。そしてアプローチとしては、そんなに迷うことなく「聞き取り調査」を選ぶことにしました。

それはこの研究の軸足が、「表現者」に重きを置いていることによります。先に挙げた「エロゲの表現者がエロゲの自主規制に関わる」というのは、他のアダルト業界と比べてエロゲ業界独自のものだと思っていました(調べてから案外そうじゃないっぽいとわかってきましたが)。加えて、自主規制の後には「対応」が必ず存在します。規制された点について、表現者がどのように考え、どのように対応したかを明らかにするには「聞き取り調査」が一番であると考えました。

 

かなり長くなってしまいましたが、今回は社会学研究における「参考文献、論文」について、素人なりにですが説明してみました。

かなりの乱文となってしまいましたが、私の研究について少しでも伝わっていれば幸いです。

社会学はどのようなものか、説明しづらく伝わりづらいものではあると思いますが、とても素敵な学問なので、ぜひご興味持ってくれたらなと思います。

 

次回は実際に私が読んだ参考文献を紹介したいと思います。

また読んでいただけると嬉しいです。よろしくお願いいたします。

 

「ソフ倫」に突撃してみた話

こんにちは。

エロゲで卒論書く人(@eroge_thesis)です。

 

昨晩なかなか寝付けず、深夜にぽちぽち記事を書いておりまして、それなりに自信作だったのですが、間違えて更新を押してしまい、おじゃんとなりました・・・。

「下書き保存」を押したつもりだったんです・・・つらい。

 

正直モチベはだだ下がりですが、そう言っても仕方がない、というわけで短めの記事を更新しようと思います。

 

それは、今年7月某日のこと。

コンピュータソフトウェア倫理機構様の事務所に私、お伺い致しました。

事前に電話やメールにて研究について説明し、話を聞かせてほしい旨を送ったところ、快く了承いただいたのです。

 

伺って最初にいただいたのは、「ソフ倫」の概要を説明した資料!

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ソフ倫概要資料

本研究は、「エロゲの表現規制について」研究するもの。

ソフ倫はこのテーマと切っても切り離せない関係なだけに、このような基本情報の詰まった資料があるというのは助かります。

 

そして、その資料に沿ってあらかた説明いただき、こちらからもいくつか質問させていただきました。

その内容はここでは省略しますが、この時学んだことはまた別の場を借りて話すことになるかと思いますので、その時が来るまでお待ちください。

 

ともかく、終始非常に丁寧に、優しく対応してくださいました。

ちなみに最後、「このように研究で学生が訪問することは他にはあるのでしょうか?」とお聞きしたところ、「2~3年に一度くらい」とのことでした。なんやかんやでエロゲを研究テーマにする人、いるんですね・・・。完全なスキマ産業ならぬ、スキマ研究してるつもりだったのですが・・・・不覚。

 

総じてこの訪問は、研究に大きな進歩をもたらしてくれました。

その中でも一番大きかったのは、「研究を最後まで進められる目処が立った」ということです。私の計画していた研究は聞き取りが主な調査方法であるだけに、聞き取りのお願いを了承してもらえなければ、どうしても研究テーマの変更などを迫られることになります。その点ソフ倫訪問後のゼミでも、「現状ある情報でも(情報を他で補足すれば)十分研究になる」との評価を先生にいただき、私の卒業論文テーマが「エロゲ」になることが確定的になりました。

それはつまりこのアカウントでの活動を始めるきっかけの一つになったということでもあります。そして活動を通して、たくさんの新たな出会いと、聞き取りがしたい!

・・・というのはまだ先の話でもありますが。

 

そんなこんなで、本研究において外せないターニングポイントであり、私自身決して忘れられない思い出になった出来事を振り返ってみました。

こうして多くの方のおかげで、本研究を進めることができている、ということを改めて認識し、深く感謝しています。そして、そのご好意に応えられるよう、一歩づつ確実に前進して、私にしかできない、「良い研究」を「エロゲ」をテーマに完成させたいと思っています。

もしよければ、ここ、はてなブログツイッターのフォローで応援いただけるととっても嬉しいです!よろしくお願いします!!

 

 

 

「エロゲの表現規制について」研究するということ ~前回の記事の補足~

どうも。

エロゲで卒論書く人(@eroge_thesis)です。

 

前回は自己紹介として、私が社会学的アプローチでエロゲの表現規制について研究していることについて、大まかに説明しました。

しかし書いてから思ったんです。

表現規制研究してる、ってヤバい奴扱いされないかな・・・?」

と。

 

「ヤバい奴」というと語弊がありますが、どんな思想であれその思想に対して狂信的で、情報発信が常にそういった思想に関わるトピックの善悪を論じるものであったり、最悪の場合その思想に沿わない他者を否定、排斥しようとする(Twitterクソリプのようなものです)人物はどうしても「ヤバい奴」認定されやすいです。

というか、自分にとってそれは「ヤバい奴」ですし、正直関わりたくありません・・・。

 

と、いうことではっきり申し上げますと私は(エロゲに限らず)表現規制について賛成、反対の意見を表明することはほぼありません。

もっと言うと、その点は私の興味の範囲に置いてストライクではない、ということです。

 

では私の興味とは?

そもそも研究を始めたきっかけは、エロゲに関わる研究がしたい、と言うことがスタートでした。

(私は大学院に行くつもりがないので)私にとって先生についてもらえる本格的な「研究」は人生で一度きりだし、自分の好きなものをテーマに自分のやりたいことを研究にしてみたかったのです。

そして、社会学はそれを可能にする土壌が整っていました。

 

その土壌の上で「エロゲ」を分析した時に、「表現が自主規制される時、どのような圧力や、社会状況、人の動きが関わっているのか」ということが私にとって非常に面白そうなテーマとして映りました。

加えて、これは強調しておきたいのですが、「エロゲの自主規制」の特色として、「表現者自身による自主規制」であることが挙げられます。これはエロゲ特有のもので、例えばAVの規制(修正基準などの策定)にAVメーカーの人間は関わっていない(はず)です。しかし、設立時からソフ倫の理事は様々なエロゲメーカーの社長によって構成されています。

 

ちょっとエモい話をすれば、エロゲ業界におけるソフ倫というのは、警察の圧力による「エロゲ」文化の消滅を避けるため、「エロゲを守りたい」と思う表現者たちが集い、各所との調整の末現在までエロゲを残し続けてくれている団体と言えます。

表現者による自主規制、ということになれば、時に何らかの葛藤であったり、大きな議論が起こった可能性があります。また、自主規制に対してどのような対応をとったか(ソフ倫に文句を言ったか、何らかの工夫で乗り越えたのか、など)も気になるところです。

 

後者の代表的なものとしては「かぐや消し」が挙げられるのではと思います。

いわゆる淫語に「ん」の文字が含まれることが多いことを利用し、その文字のみに修正音を入れたり、音声を切り取ったりする修正方法ですね。

 

しかし、この「かぐや消し」も本当に規制による対応で現れたものなのか、研究としては調べて明らかにする必要があります。

今回の研究では、このような「エロゲの当たり前」がどこから来たのか、その理由や背景は何か、ということも明らかにしたい興味の一つとしてあります。

 

・・・少しは面白さをご理解いただけたのではないでしょうか。

まとめると、私の本研究における興味とは、「規制」の周りにいる人と社会を明らかにすることです。人間および社会の行動には何らかの理由があります。それがどんなものであるかを明らかにしたいのです。

 

繰り返し申し上げますが、表現規制の是非そのものについて論じるつもりは全くありませんので、よろしくお願いします。

【自己紹介】初めまして。エロゲについて研究してます。

初めまして。

エロゲで卒論書く人(@eroge_thesis)と申します。

 

現在大学四回生で、社会学を専攻しております。

その中で、「アダルトゲームの表現規制と規制に対する表現者の対応について」というテーマで研究しています。

 

社会学の研究には様々な分野、手法があると思いますが、私の研究は「ある社会を明らかにするため、自ら調査しデータを取りまとめる」という典型的な社会学研究の一形態に属するものです。

さらに「調査」のスタイルも色々ある訳で、調査対象や状況によってそれらを使い分けていくのですが、自身の今回の研究は、いわゆる「聞き取り調査」を中心にエロゲ業界について、そしてその表現規制について明らかにしよう、というものです。

 

さて、エロゲと表現規制、といえば「ソフ倫」を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。

これは正式にはコンピュータソフトウェア倫理機構と言いまして、その昔、エロゲの表現がやりたい放題で(まさに無法地帯!)、社会問題に巻き込まれかけた時に設立され、現在まで様々な活動をしている一般社団法人です。

その一番メインの活動というのが、エロゲの表現に関わる審査です。例えば「高校」というワードが使えなかったり、そもそも18歳未満のキャラクターが出演できないのもソフ倫の倫理規定によるものです。その結果「学園もの」というジャンルが生まれた(「学園」というワードは年齢を特定しないため使用可能)と思われるなど、「表現規制」は今に残る独自の文化を作ってきた側面すらあるのです。

 

当然他にもたくさんあるのですが、私はエロゲ(業界)のこういった部分が面白くて研究対象にすることを決めました。

 

そして現状の進捗としましては、ソフ倫様とコンタクトを取り、実際にお会いしてお話を聞かせていただいたり、資料をいただいたりとそれなりに順調に進んでいると思っています。

 

しかし、その上で今私が考えているのが、「ソフ倫」のような自主規制団体の言葉だけでなく、表現者」つまり「エロゲの開発者」やエロゲユーザーの言葉も「聞き取り」したい!ということです。

 

これがこのアカウントを作った大きな目的です。

このブログや、ツイッターでの発言を通して自分自身エロゲの話をする仲間が欲しいと思いますし、その延長線上で「聞き取り」ができるようなことがあればいいなあ、くらいに考えています。

 

・・・下心アリアリ、と言われれば辛いのですが、あまりそういったことは気にせずに仲良くしてもらえれば嬉しいなと思っております!

ともかく、これも何かのご縁ということで、よろしくお願いします!!